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今週のニュースはいずれも米国の裁判に関わり、iOSのアプリ外決済にかかる費用と市場開放の程度を直接左右する。アップルとEpic Gamesは、外部リンク経由の購入に課す手数料率の根拠となる文書を巡って対立している。一方、開発会社からは、米司法省とアップルが和解しても、実質的な変化にはつながらない可能性を懸念する声が上がった。iOSの決済を管理する規則は、現在も形成の途上にある。
アップルとEpic、外部リンク手数料5~15%の根拠資料を巡り対立
Epic Gamesとアップルの訴訟で両社が共同提出した進捗報告書を巡り、Epicは、アップルが外部リンク経由の購入に課す新たな手数料の根拠資料を十分に開示していないと批判した。
アップルは2026年8月、米国のApp Storeから外部決済へ誘導した購入について、5~15%の手数料を課す案を示した。裁判所が開発会社による外部決済への誘導を認めるよう命じた後、アップルが2024年に導入した27%の手数料から引き下げる内容となる。
その後、裁判所はアップルの対応が命令に違反したとして、同社を法廷侮辱と認定した。アップルは、裁判所の命令は外部購入に手数料を課すことまで禁じていないと主張し、米連邦最高裁判所に認定の取り消しを求めている。
最高裁がこの争点を審理する一方、下級審では、アップルが外部リンク経由の購入に手数料を課せるか、課せる場合にどの程度まで認められるかについて、別途審理が続いている。手続き上の合意に基づき、アップルには5~15%という料率を算定した経緯を示す社内文書の提出が求められていた。
Epicは、提出期限から約2カ月が経過したにもかかわらず、アップルがほとんど文書を提出していないと主張する。これに対し、アップルは当初の提出義務を果たしたと反論した。遅延の原因は、27人を対象とする文書検索を求めたEpic側にあると説明している。
注目点
今回の審理は、米国における外部リンク型のアプリ外収益化について、実際の採算性を左右する。外部購入の手数料が従来の27%となるのか、提案された5~15%の範囲に収まるのかを判断するための記録が、下級審で作成されている。
外部リンク決済を計画するパブリッシャーは、最終的な手数料率が未確定であることを前提にする必要がある。現在の料率が維持されると想定せず、手数料の上限と下限の双方を織り込んで採算性を検証することが重要となる。
- 9to5Mac2026年10月12日
開発会社、米司法省とアップルの和解が不十分になる可能性を懸念
The Informationによると、開発会社の間で、米司法省がアップルを相手に起こした反トラスト訴訟の和解内容が、反競争的と指摘される行為を十分に是正できない可能性への懸念が広がっている。
報道によると、司法省当局者は訴訟の継続よりも和解を優先する意向を示している。iPhoneと他社製端末との相互運用性を改善する方法について、開発会社に意見を求めたという。このため、和解は相互運用性を中心とする内容になる可能性がある。
一方、開発会社や反トラスト法の専門家からは、和解による義務が限定的なものにとどまるとの見方が出ている。例えば、競合する決済アプリはiPhoneの近距離無線通信(NFC)機能を利用できるようになったものの、依然として不利な条件に置かれているとされる。他社製スマートウォッチについても、Apple Watchと同等の連携機能の多くを利用できない。
司法省に懸念を伝えた企業には、Epic Games、プライバシー関連サービスを手掛けるProton、米国の大手決済会社が含まれるという。
司法省は2024年3月、メッセージング、デジタルウォレット、スマートウォッチ、クラウドゲーム、多機能アプリへの制限を通じ、アップルが違法なスマートフォン市場の独占を維持したとして提訴した。その後、アップルはiOS 18の「メッセージ」にRCSを導入した。iOS 18.1以降では、第三者による非接触取引にもiPhoneのNFC機能を開放している。一方、より広範な変更には抵抗するとみられている。
和解協議が遅れている要因の一つとして、司法省反トラスト局長への就任が予定されるアダム・カンデューブ氏について、上院の承認手続きが終わっていないことも報じられている。
注目点
iOSの決済を含むプラットフォーム規則が、近く大幅に緩和されるかは不透明となる。和解が成立しても内容が限定され、アプリ外収益化を巡る条件が大きく変わらない可能性もある。
パブリッシャーは、アップルの規則が近く強制的に開放されるとの想定に基づいてDTC戦略を設計すべきではない。現行の条件を前提に事業計画を立て、反トラスト訴訟による将来の緩和は追加的な利益として捉えることが現実的となる。
- 9to5Mac2026年10月16日
- MacRumors2026年10月16日
- AppleInsider2026年10月16日
まとめ
今週のニュースはいずれも、米国におけるiOS決済の条件が変化の途上にあり、外部リンク手数料も反トラスト訴訟による是正措置の範囲も確定していないことを示している。
パブリッシャーが現時点で活用できるのは、外部決済への誘導とウェブショップとなる。裁判や和解の結果を待つのではなく、現行ルールを前提にDTCチャネルを構築し、将来の規制緩和は追加的な利益として事業計画に織り込むことが望ましい。
手数料を固定費ではなく変動要素として扱えば、最終的な料率に応じて価格や収益設計を柔軟に調整できる。販売事業者(マーチャント・オブ・レコード、MoR)を活用することで、料率の不確実性や国・地域ごとに変わる法令対応を吸収しながら、アプリ外販売を継続できる。
