今週の動きは、パブリッシャーが大手アプリストアへの依存を抑える2つの手段を示した。米国では、開発会社がアップルへの手数料なしでウェブ決済へ誘導できる根拠となった法廷侮辱の認定について、司法省が連邦最高裁判所に取り消しを求めた。Androidでは、Google Playから削除された作品がEpic Games Storeを通じて復帰すると報じられ、主要ストアでの配信が止まった際に代替ストアが流通を維持する経路になり得ることが示された。

米司法省、アップルの27%手数料を巡る法廷侮辱認定の取り消しを最高裁に要請

アップルとEpic Gamesの訴訟を巡り、米司法省は訟務長官室を通じて2026年9月21日、米連邦最高裁判所に法廷助言書を提出した。外部リンク経由の購入に27%の手数料を課したアップルへの民事上の法廷侮辱認定を取り消すよう求めた。

アップルは、開発会社が利用者を外部の購入手段へ誘導できるよう裁判所から命じられた。その後、外部リンク経由の購入に27%の手数料を設定したため、地方裁判所は命令の実施方法が不適切として、同社を民事上の法廷侮辱と認定した。アップルは現在、外部決済リンクの利用を認め、手数料も徴収していない。

司法省の主張は手続き上の論点に限られる。法廷助言書では、民事上の法廷侮辱を認定できるのは、問題となる行為が「差し止め命令の明示的な文言に明確に含まれる場合」に限られると指摘した。そのうえで、27%の手数料に関する法廷侮辱認定を取り消すべきとの見解を示した。

一方、外部決済リンクを目立ちにくい通常のボタンに制限したアップルの対応については、下級審による法廷侮辱認定が妥当とした。その他の争点については、「合理的な疑いの余地」があるかを基準として、下級審に差し戻すよう提案した。

アップルの主張を支持する法廷助言書は、米商工会議所、Chamber of Progress、元連邦反トラスト当局者のグループ、International Center for Law and Economics、CCIA、NetChoice、SIIA、Washington Legal Foundationからも提出された。

Epic Gamesの回答期限は11月13日となる。外部リンク経由の購入にアップルが手数料を課せるか、課せる場合にどの程度まで認められるかについては、地方裁判所でも並行して審理が続いている。

注目点

米国のパブリッシャーが現在、アップルへの手数料なしで利用者を自社のウェブ決済へ誘導できるのは、司法省が取り消しを求めた法廷侮辱認定に基づく。

もっとも、今回の動きは法的義務と手続きに関する問題であり、DTC導入を見送る理由とはならない。パブリッシャーには、ウェブショップと外部リンクの基盤を維持しながら、将来手数料が変更されても大規模な再構築を必要としない決済導線を設計することが求められる。

実際の採算性を左右するのは、地方裁判所が並行審理で判断する手数料率となる。複数の料率を想定し、外部決済の収益性をあらかじめ検証することが重要となる。

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Google Playから削除された作品、Epic Games Store独占でAndroidに復帰へ

Epic Gamesが、Serenity Forgeのビジュアルノベル「Doki Doki Literature Club」をAndroid版Epic Games Storeの独占タイトルとして配信する見通しとなった。Mobilegamer.bizが2026年9月17日に報じた。

同作品は、センシティブなテーマの描写を理由に、2026年4月にGoogle Playから削除された。報道時点では、Epic Games Storeに18歳以上を対象とする製品ページが公開され、ウィッシュリストへの登録が可能になっていた。

開発会社は4月、グーグルとの問題解決を目指すとともに、Androidで利用できる別の配信手段を検討していると説明していた。

同作品はその間も、アップルのApp Store、任天堂のニンテンドーeショップ、PlayStation Store、Steamでは引き続き配信されていた。一方、Google Playでは提供されていない。

報道時点で、Epic GamesとSerenity Forgeは今回の配信について正式に発表していない。

注目点

主要ストアから作品が削除された場合に、Androidの代替アプリストアが実際の配信経路として機能することを示す事例となる。代替流通は制度上の可能性にとどまらず、パブリッシャーが作品の提供を継続するための現実的な選択肢になりつつある。

ストアからの削除は、パブリッシャーにとって無視できない流通リスクとなる。Androidの代替ストアを通常の展開計画や緊急時の配信計画に組み込むことで、単一のプラットフォームへの依存を軽減できる。

代替ストアは配信経路を確保するだけでなく、Google Playの課金基盤に依存せずに収益化するための経路にもなり得る。ただし、今回の配信については正式発表前となるため、Epic GamesまたはSerenity Forgeによる確認を待つ必要がある。

出典

まとめ

いずれのニュースも、アプリ外チャネルが既に実用的な選択肢となる一方、その利用条件は変わり得ることを示している。米国で現在認められている手数料なしの外部リンクは係争中の裁判に左右される。Androidでは、代替アプリストアがGoogle Playから作品を削除された場合の現実的な配信手段となる。

パブリッシャーには、単一のプラットフォームに依存せず、外部決済と代替流通の双方を利用できる体制が求められる。tokenzは販売事業者(マーチャント・オブ・レコード、MoR)として、決済、税務、法令順守、返金、不正対策、手数料変更への対応を担い、法的条件や配信環境が変わっても、コマース基盤を構築し直さずに対応できるよう支援する。