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今週は、アプリプラットフォームを巡る判決として、運用要件を特に具体的に示したオーストラリア連邦裁判所の判断に注目が集まった。Epic Gamesとアップルの訴訟で是正措置が示され、パブリッシャーは2027年の対応期限に向けて準備を始められる状況となった。
豪連邦裁、アップルに代替ストアと外部決済の開放を命令 不当な手数料も制限
オーストラリア連邦裁判所のジョナサン・ビーチ判事は2026年10月21~22日、Epic Gamesがアップルを相手に起こした反トラスト訴訟について、具体的な是正措置を示した。同裁判所は前年、アップルがアプリの流通と決済を制限し、オーストラリアの競争法に違反したと認定していた。235ページ、1104項目に及ぶ今回の判決は、アップルがiOSアプリの流通とアプリ内決済の両市場で強い市場支配力を持っていたと判断した。
アップルは2027年3月1日までに、オーストラリアのApple Account保有者に対し、第三者のアプリストアやウェブサイトからアプリを直接インストールできるようにしなければならない。開発会社には、アップル以外のアプリ内決済システムの利用、外部決済ページへのリンクの設置、第三者ストアやウェブサイトを通じたアプリ配信を認める必要がある。代替流通に必要なAPIや開発ツールも、App Storeで配信するアプリと実質的に同等の条件で提供するよう求められた。
手数料について、裁判所は代替流通チャネルへのアクセス自体に料金を課すことを禁じ、外部決済に対する一部の手数料も制限した。開発会社は、アップルの決済システム外でより低い価格を提示できる。アップルは、外部の決済事業者を通じて処理された取引の報告や、開発会社が選んだ外部決済手段とApple IAPの併設を義務付けることもできない。
アップルは、対応期限を2027年5月3日まで一度に限って延長するよう申請できる。延長申請の期限は同年2月15日となる。App Store外で配信するアプリについては、公証とセキュリティー検査を引き続き実施できる一方、自社のApp Storeを通じて競合するアプリマーケットプレイスを配信する義務は負わない。Epicが求めた世界規模での差し止め命令も認められなかった。
裁判所は別途、Epicが書面で申請した場合、アップルに「Fortnite」を含む対象アプリを直ちにApp Storeへ復帰させるよう命じた。Epicは、Fortniteが翌日にオーストラリアのApp Storeへ戻ると説明した。アップルにはEpicの訴訟費用の85%を負担するよう命じられたが、同社は判決の執行停止を申し立て、上訴する方針を示している。
注目点
今回の判決により、オーストラリアのiOS利用者にアプリを提供するパブリッシャーは、Apple IAP以外の方法で代金を回収し、利用者を外部決済へ誘導し、App Store外でより低い価格を提示できる法的な経路を得る。代替流通へのアクセス料、外部決済の報告義務、Apple IAPの併設要件なども制限され、DTCの採算性を損ねてきた複数の負担が軽減される可能性がある。
基本期限は2027年3月1日で、延長が認められた場合は5月3日となる。公証とセキュリティー検査は引き続き必要となるほか、アップルが判決の執行停止と上訴を予定しているため、実際の導入時期には不確実性が残る。パブリッシャーは、法的手続きの動向を追いながら、オーストラリア向けの外部決済と代替流通の開発負担を事業計画に織り込む必要がある。
- 9to5Mac2026年10月22日
- AppleInsider2026年10月22日
- mobilegamer.biz2026年10月22日
今週のまとめ
オーストラリアはEU、日本、ブラジルに続き、独自の時期、条件、手数料規則に基づいて外部決済を開放する市場となった。アプリ外で代金を回収する権利は国・地域ごとに異なる条件で認められつつあり、それぞれに固有の法令対応とローカライズが必要となる。上訴によって条件や導入時期が変わる可能性も残る。
パブリッシャーはオーストラリアを2027年の事業計画に組み込み、アップルによる執行停止の申し立てを注視しながら、市場ごとに異なる手数料、税務、売上金の精算方法に対応できる決済導線を設計する必要がある。販売事業者(マーチャント・オブ・レコード、MoR)を活用すれば、市場ごとにコンプライアンス体制を一から構築することなく、新たな地域で外部決済を導入できる。
